>>4 からの続き
 このころから尾行がより巧妙になったと思われる。というのは、徒歩による尾行者は必ずしも尾行車両の同乗者ではなくなって
きたからである。おそらく私を追う尾行車両から連絡をうけた別のクルマが尾行者を乗せて先回りし、私の到着を待って、素知ら
ぬ様子でかなり離れた場所から私を監視、尾行しているようだった。
 さらに、わが家への監視が路上のクルマからかけでなく、近所のマンションの一室などからも行われていたことがわかってきた。
おそらく、そこで24時間私たちを監視しているのであろう。
 というのも、私たちが自宅を出て徒歩3分のバス停に到着すると、すぐにバス停の後方50メートルほどのところにクルマが姿
を現して、追尾の態勢でスタンバイしているからである。これは、どこかで常時私たちを監視していないとできない。さらに、自
宅近くの交差点をどちらの方向で歩きだしても、ただちにクルマないしは尾行者が姿を現す。つまり、かれらはわが家の玄関と交
差点の両方を俯瞰できるところから監視を続けていることになる。だとすると、疑わしいマンションがあるが、実際、これまでに
尾行を視認できた複数の人物がこのマンションに出入りしているのを目撃している。
 ただし、尾行者が待機しているのは、このマンションではない。ここではもっぱらわが家を監視し、私たちが玄関を出るのを確
認すると、ただちに別の場所に待機しているメンバーに指令を飛ばし、そこから尾行者が出動するのである。その待機場所もだい
たい見当はついている。
(中略)
このように監視役とクルマの運転手、尾行者らを合わせると、おそらく常時10人前後でひとつのグループが編成されていると思
われるが、その顔ぶれは前述のように日によって違っている。したがって、わが家の監視・尾行にかかわるメンバーの延べ人数は
相当数にのぼると見なければならない。
(後略)