専業主婦世帯のほうが子なし家庭の割合が高い

では、日本は両者の関係にどのような傾向がみられるのでしょうか。2015年の国勢調査結果を用いた分析結果をご紹介します。

まず、女性の労働と子どもの有無について比較します。専業主婦世帯と共働き世帯、それぞれ子どもがいない世帯割合についての分析結果が図表1になります。

意外に思われる人も多い結果かもしれませんが、専業主婦世帯の方が子どものいない世帯、子なし家庭の割合が高くなっています。

2ポイント差のこの図だけをもって「共働き世帯の方が子どもをもつんだ!」と断言まではしてはいけませんが、統計的にみて確実に言えることは、

「専業主婦のご家庭の方が、子もち世帯が多いはず」
「共働き夫婦って、専業主婦家庭より子なしカップルが多そうだ」

などというのは全くの思い込み、統計的には立証できない事実誤認である、ということです。



「専業主婦より共働き主婦の方が産んでいる」という事実

次に、子どもがいるご家庭にしぼって、専業主婦世帯と共働き世帯それぞれ子どもの数を見てみましょう。

これも意外、と思う人が非常に多いデータの1つですが、専業主婦世帯で最も多いのは一人っ子家庭で、半数の2世帯に1世帯を占めています。一方、共働き世帯では2人きょうだい家庭が最も多くなります。また、子ども3人以上の多子世帯も共働き世帯の方が高い割合となります。

つまり、以上の2データを総合して判断すると、専業主婦よりも共働き女性の方が子どもを多く持つ、という結論になります。


東洋経済オンラインより
天野かなこ ニッセイ基礎研究所 人口動態シニアリサーチャー 東大卒一児の母

データがでてるからたぶん国民年金3号は将来的に廃止されると思う