天皇皇后が明治150年式典に欠席した理由! 安倍政権の“明治礼賛キャンペーン”に利用されることを忌避したとの見方
https://netallica.yahoo.co.jp/news/20181025-64467155-litera

実際、皇居周辺では、水面下での官邸からの要請を天皇側が固辞したとの見方も根強い。

「従来の流れを考えれば、当然、官邸は宮内庁を通じて天皇・皇后両陛下に出席を要請したはず。
宮内庁は表沙汰にできませんから誤魔化すしかありませんが、事実上、天皇側が出席に難色を示したと考えるのが妥当でしょう。
改憲姿勢や『生前退位』などをめぐり、天皇陛下が安倍政権について快く思っていないことは再三指摘されていましたが、
皇室にとって極めて重要な明治改元から150年を祝う式典への出席まで拒否されたとなると、
これはもう、おふたりの強い意志が働いたとしか思えない」(皇室担当記者)

では、その「明治150年」式典に、今上天皇と皇后が姿を見せなかったのは、なぜか。
それはおそらく、安倍首相が主導して繰り広げている極めて政治的な“明治礼賛キャンペーン”に利用されるのを忌避したからだろう。

明治新政府の中心となった長州の末裔である安倍首相は、明治維新は国家存亡の危機から救ったと胸を張り、
その精神を礼賛し現代社会に注入すると力を込める一方、帝国主義のもとで行った侵略戦争などは完全にネグっている。

言うまでもなく、明治の日本=大日本帝国は、天皇を神と崇め、国民は天皇のために命を捧げることを強制される絶対君主制国家だった。
人権は著しく制限され、貧困者や女性の参政権も認められず、身分制も根幹は解消されないまま。
富は財閥と大地主に集中し、庶民は徹底的に搾取された。
また、対外的には帝国主義国家として、数々の侵略戦争を引き起こし、多くの国の人間の命と自由を奪った。
しかも、この体制はその後、80年にわたって続き、「神国日本」というカルト的な思想によって日本自体も滅亡の危機に追い込んだ。

一方、安倍首相は今年の年頭所感でも「150年前、明治日本の新たな国創りは、植民地支配の波がアジアに押し寄せる、
その大きな危機感と共に、スタートしました。国難とも呼ぶべき危機を克服するため、近代化を一気に推し進める」などと語ったように、
明治の精神をこれからのモデルにしようと国民に呼びかけている。