渦中の辻元清美に訊く「デマと保守」
http://bunshun.jp/articles/-/1908

──では、自民党の昔と今、さっき挙げた野中広務さんや古賀誠さんたちと安倍首相とは何が違うんでしょう。

「野中広務さんも私のおじいちゃんも戦争に行かされた側、古賀誠さんも私の父も戦争で親を亡くした側なんです。
だから、安倍さんや麻生(太郎)さんが『子どもの頃、おじいちゃんにかわいがってもらった』という話を聞くとちょっと腹が立つんですよ。
特に、安倍さんの祖父は重要閣僚で、日米開戦の詔書にサインした側だった。庶民を戦争に行かせて、生き残った側なんですよ。
安倍さんの近い人たちがA級戦犯の合祀にこだわるのも、戦争を送り出した側を守ろうとする論理に囚われている証拠です。

 父方の祖父はパプアニューギニアのブーゲンビル島で戦死して、私の父は15歳で働きに出た。残された家族を養わざるを得なかった。
25歳で私が生まれた。ずっと生活が苦しいわけです。ひとたび戦死者を出すと三代後まで影響が出る。
私も父方の祖父の顔もわからないし、家は貧しかった。だから、私は戦地に行かされ、生活苦を強いられた庶民の代表だと思っています。
今の時代でも、戦争に行かせた側と行かされた側の関係を作りたくない。

――自民党にも実はいろんな声があるんですね。

「意外かもしれませんが、安倍政権の中でも菅(義偉)さんは初当選同期だし、野中さんや古賀さんにも近かったので親近感はあります。
安倍さんとは違う、同じような政治のキャリアを歩んできたように感じる点があるのです。

 あと、小池百合子さんにはシンパシーがあったの。環境大臣やっていたときとかも実務的だし、発想は面白いし。
パレスチナの友好議連も一緒にやっていた。パレスチナに関わるなんてお互い物好きだなと思いながら。
向こうのほうが少し期数は上だったけど、小池さんと野田聖子さんと私は女性議員の中で一番古株のほうだし、共通点がある。
3人とも安倍晋三に嫌われている。

 小池さんが都知事に出る前、会合で隣り合わせになって、私、聞いたんです。
『どうよ、安倍政権。小池さんを閣僚に起用したらバンバン仕事できるのに、安倍さんの周りの親衛隊になっている女性たち、アレ、ないよ』と言ったら、
小池さんが『いやあ、安倍政権から見たら、私が〈リ・ベ・ラ・ル〉なんだって。
私がリベラルだったら、辻元さんはどうなっちゃうのよ(笑)』と言ったわけよ。二人でコソコソ笑っていたの。

 小池さんは今、溜まっていたマグマが爆発しているよね。男たちがだらしないから」