松田氏と日蓮宗

松田氏は仏教史においては上総酒井氏と並ぶ日蓮宗の熱心な信奉者として名を残している。
建武・暦応年間頃に備前において布教活動をしていた大覚(日像門人)に宗論を挑んで敗れた松田元喬(蓮昌院)がこれを保護して以後、
代々の当主が同派寺院に保護を与えただけでなく、進出した先の他宗の寺院を強制的に改宗させたといわれている。
このため、松田氏滅亡後も「備前法華」と称される強力な門徒団が形成され、後に備前は不受不施派の拠点として知られるようになる。