痴漢で再逮捕「不当」 名古屋地裁、無罪判決の男性提訴

2018年9月27日 23時29分

電車内で痴漢をしたとして愛知県迷惑行為防止条例違反罪で起訴され、無罪判決が確定した同県内の男性が、起訴前の在宅捜査に協力していたのに同容疑で不当に再逮捕され、精神的苦痛を受けたと主張し、
国に200万円の賠償を求める訴訟を名古屋地裁に起こした。
27日に第1回口頭弁論があり、国側は請求棄却を求めた。

提訴は7月。訴状によると、男性は2016年3月、電車内で女性=当時(24)=の尻を触ったなどとして愛知県警に現行犯逮捕され、その後釈放されて在宅捜査となったが、同年8月に同じ容疑で再逮捕された。
在宅捜査の間、取り調べのために弁護士を伴って名古屋・中村署や名古屋地検に出向いていたが、担当検事らが弁護士の同席を認めず、取り調べは行われなかった。

男性は「逃亡や証拠隠滅の恐れはなく、再逮捕の必要はなかった」とした上で、名地検の検事が再逮捕状を請求したことは、弁護士同席を求めたことに対する報復に当たると主張。
名地裁の裁判官が逮捕を認めたことも不当としている。

男性の代理人弁護士は「在宅捜査は、応じるか応じないかすら自由とされているのだから、捜査機関が取り調べで弁護士を排除し、被疑者の自由を制約することはできない」と話した。

男性は再逮捕の直後に起訴された。
名地裁は今年2月の判決で「女性の勘違いの可能性がある」と無罪を言い渡し、確定した。

名地検と名地裁はそれぞれ、「個別事件に関するコメントは差し控える」とした。
(中日新聞)