>>1 再掲

金仁謙の「日東壮遊歌」  <丶`∀´>朝鮮通信使の日記

 1月22日 大阪
  我が国の都城の内は 
  東から西にいたるまで一里といわれているが
  実際には一里に及ばない
  富貴な宰相らでも
  百間をもつ邸を建てることは御法度
  屋根をすべて瓦葺きにしていることに 感心しているのに
  大したものよ倭人らは 千間もある邸を建て
  中でも富豪の輩は 銅をもって屋根を葺き
  黄金をもって家を飾りたてている
  その奢侈は異常なほどだ
  (中略)
  天下広しといえこのような眺め
  またいずこの地で見られようか
  北京を見たという訳官が 一行に加わっているが
  かの中原(註:中国の中心地)の壮麗さも
  この地には及ばないという
  この良き世界も 海の向こうより渡ってきた
  穢れた愚かな血を持つ 獣のような人間が
  周の平王のときにこの地に入り 今日まで二千年の間 
  世の興亡と関わりなく ひとつの姓を伝えきて
 
  人民も次第に増え このように富み栄えているが 
    知らぬは天ばかり 嘆くべし
                 恨むべし