>>20続キ

また、sovereigntyという言葉は、合衆国である米国では、もともと各州に独立的自治権を認めている用語として使われている用語であり、当時の米国の政治環境並びにアメリカ史の連想から言えば、
当時のアメリカ英語を現在の日本語のセンスで翻訳すれば「自治」という程度の用語でしょう。
ですから、「連合国は日本の人民による日本とその領海の充分なる自治を認める」程度が本来の翻訳でしょう。
また、サンフランシスコ講和条約の日本語訳では、その後もJapanという言葉は全て、「日本国」と訳していますが、
原文では、一度も、国としてのJapanを示唆する用法はありません。単に、TaiwanとかRyukyu Islandsといったterritoryを表す中立的な用語として、Japanという文言が使われているにすぎません。
サンフランシスコ講和条約には、Japanというterritoryには、Koreaは入らない等々、延々と、Japanという地域がどこからどこまでかということが書かれているのであり、
条約全体の文脈からも、Japanは「日本」というサンフランシスコ講和条約で定義される領域を示す単語として使われており、
国を表す言葉と読むのは、麗しすぎる誤訳です。
条約のJapanは「日本国」ではなく「日本」と訳すべきところを、日本語訳のほうで、「日本国」という独立国が認められたかのような訳し方を意図的にしているだけです。
少なくとも、主権国家の定義である「国内統治権」と、「対外主権」の二つのうち、半分の統治権しか認められていないことは間違いないでしょう。