『選択』 2016年12月号
ドイツで出始めた独自「核武装論」
トランプで目覚める「平和ボケ国家」
https://www.sentaku.co.jp/articles/view/16471
 ドイツで独自「核武装論」が突如、沸き起こった。今回の主役は、ドイツ高級紙「フランクフルター・アルゲマイネ・ツァイトゥング(FAZ)」や、
アンゲラ・メルケル首相率いる与党「ドイツキリスト教民主同盟」(・・・


2016-12-30
トランプ政権があける「パンドラの箱」 中国の台湾併合 日独の独自核武装論
http://blog.goo.ne.jp/azianokaze/e/2cee27273b57ff580325b13dcf3d690a
****トランプで目覚める「平和ボケ国家」 ドイツで出始めた独自独自「核武装論」****
ドイツで独白「核武装論」が突如、沸き起こった。(中略)

最初に爆弾を落としたのは、左派系高級週刊誌「デア・シュピーゲル」である。
コラムニストのヘンリク・ミューラー・ドルトムント工科大学教授は、専門の経済学の視点から、「トランプ当選後は、米軍はヨーロッパ
から撤収する。そうなると、ドイツの防衛費は(今の二倍以上の)八百億ユーロが必要になる」とした上で、「ドイツの独自核兵器が
可能か否か、議論があってしかるべきだ」と指摘した。 

教授のコラム掲載は米大統領選数日前のこと。ドイツ国内のネット上には、「何をバカな」「シュピーゲルたるものが、何を言うのか」など、
批判の合唱が起きた。

だが、実際にトランプ当選の衝撃波が起こると、コラムは新たな読者を得て、見直された。(中略)

ドイツ人にとっての最悪のシナリオ現出で、国防力見直しは喫緊の課題になった。

「考えられないこと」に備えよ
米大統領選挙の国際世論調査では、ドイツは韓国と並んでことのほか「トランプ嫌い」の国で、トランプ支持率は両国で五%未満だった。
米軍の「核の傘」の恩恵を最も受ける両国が、本能的に「トランプ政権」に恐怖心を抱いているのは、偶然ではない。
 
衝撃のさなか、CDU(メルケル首相率いる与党「ドイツキリスト教民主同盟」の(ドイツ政界きっての安保専門家である)
ロデリック・キーゼヴェッター下院議員が「米国の核の傘に頼らない、ヨーロッパの核抑止力が必要だ」と、ロイター通信とのインタビュー
で語った。(中略)

同議員の発言も批判を浴び、「ドイツ独白の核を意味したわけではない」と修正したが、「(現核保有国である)フランス、英国は、
欧州への脅威に対して弱すぎる」ことを強調している以上、議員が言いたいことは明白である。
 
この直後に、保守系高級紙FAZが、発行人の一人であるベルトルト・コーラー氏の「ドイツ人よ、『考えられないこと』に備えよ」
とする論説を掲載した。
 
コーラー氏は、「クレムリンとうまく渡り合うには、ドイツが周辺国を守り切れるという、確実な信頼が絶対に必要だ」として、
平和ボケからの抜本的転換を求めた。

長年ドイツが国是にしてきた「武力なしの平和」はもはや無意味であり、防衛費増額、徴兵制度の改革、独自の核抑止力など、
従来は考えられなかったことをやっていく必要があるというのだ。(後略)【1月号「選択」】
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