最近、三菱GTOに好んで乗る。先月免許の更新にいった際、近くの中古車屋で激安の
タマを見つけて即決してしまったのである。ことのほかカッコイイ。コイツは本来、
フルァッグスィップとして3リッターツインターボで武装したモデルが用意されるが、
私が購入したそれは、ごく平凡な2ペドゥアルの自然吸気版である。しかし、これで
も十二分に速い。アクセルを踏み混めば走り出すタイプのモデルだから私のような
年寄りには苦労させない。90年代の三菱車には改めて感動を覚える。しかもこのテの
スポーツカーなのにATというのが玄人好みと言えよう。NAは力が無いと言うユーザーの
声をよく耳にするが、こいつはちょっと間違っているのである。たしかにターボで
武装したモデル、例えばアウディのS4と比べれば、もちろん過激な加速は味わえない
だろう。しかし元来GTOというのは2ペドゥアルでトコトコと首都高を流すシロモノ
である。私の20年来の悪友でGTOの開発に携わった鈴木氏が言うのだから間違い
あるまい。こいつの難点は坂道での発進である。横浜の元町あたりで登り勾配で信号
に引っかかるのは、かなり恐怖と言える。三菱はここのところをよくわかっていて、
後に発売されたランエボGT-Aではずいぶんと改善されていた。ランエボGT-Aに
GTOのボディがあわさればナと思う。速度に関しては申し分ない。こいつは驚くべき
ことなのだが、90年代初頭の三菱のNAに対する拘りには脱帽するのみである。私は
実のところGTOのターボモデルに乗ったことないゆえに、想像するしかないのだが、
同一のモデル、同一の排気量でタービンがあるかないかで、それほどまでに速度が
変わるとは到底思えぬ。そんなことをしていてはユゥサーは誰も自然吸気には興味を
抱かなくなる。これからの時代は自然吸気に限る。
私はコイツを駆って東関東自動車道をに出掛けた。ゲートをDレンジに放り込んで
アクゥスルを踏んでおくだけで、目を見張る勢いでメーターは120Kmを越えた。そして、
あのスカイラインGT-Rを追い抜いたのである。こいつはひとえに、三菱の努力の賜物で、
あまり知られてはいないのだがGT-RよりもGTOの自然吸気版の方が、速度に関しては
分があるということを如実に表しているのだ。