時間にして70分。妻と子が寝静まったあと電気のついていない部屋で行われたライブ映像に、夫婦最後の時間をみたような気がした──。

「別に石を売ろうとしているワケではないんですけど」
 眠れない夜の雑談、という名目ではじまったそのライブはすぐさま即売会と化した。

「まぁ〜いい石ですね。リラックス効果があります」そう言って右手に巻かれたものを画面に近づける壱成。最終的にはブレスレットとネックレスの2点が売れた。
 動画のなかで彼は「あまり石で稼ぐつもりはない」「(値下げして)売上げ度外視」とのセールストーク(?)をしつつ、2万円だったネックレスを1万8000円、最終的に「今買ってくれるなら」と1万円まで値下げしていた。

 石の効果を否定するわけではないが、動画をみていると彼が“タレント性”込みで石を売っていることがわかる。
「僕が2〜3ヶ月大切につけていた」右手のブレスレットが1本売れると「実はあるんですよ、もうひとつ」とまた腕に装着して画面に寄せる。
オマケでいしだ壱成のサインもついてくる。石に宿るのは、過去に築き上げたタレントパワーである。石はパソコンで検索して個人で仕入れているらしい。それを聞くとどうも……。

──配信が終わる数分前、突如、ガーン! と音がした。ドアを勢いよく閉めたのか、蹴ったのかといった音。パワーストーンをじゃらつかせていた壱成は真顔で数秒間、固まった。
そして何事もなかったかのように配信を続けたのである。ライブのなかで彼は、部屋が暗い理由について、妻が節約のために消したのだと明かしていた。

 SNSをたどると、妻の飯村は近所のラーメン屋でバイトをしていたとある。
そして、いしだ夫婦はその店先で規格外の野菜を定期的に販売していたとも。

 離婚が報じられた翌日、壱成はインスタグラムを更新。
娘が猫を抱く写真をアップして「これからは娘のために精一杯生きていきます」と投稿している。
その2時間後にアップしたのは、ガーデンクォーツというパワーストーンだった。