プロビデンスとは、キリスト教における「すべては神の配慮によって起こっている」という概念。日本語では「摂理」(せつり)、「神の意思」と訳される。
プロビデンスの目は、はキリスト教の摂理から、神の全能の目を意味する。
光背や三位一体の象徴の三角形と組み合わされて使われる。
三位一体の象徴なので、昔から大聖堂に使われていたり、フランス人権宣言の版画、チリ大学の校章、2006年から10年間使われたウクライナの最高額500フリヴニャ紙幣、エストニアの50クローン紙幣、
アメリカ情報認知局のシンボルマーク、そしてアメリカ1ドル紙幣など。
アメリカ1ドル紙幣は、アメリカ合衆国国章の表面の鷲と、裏面のプロビデンスの目がデザインされている。国章に裏面って必要なの?ちなみに日本の国章は天皇家の家紋。
表面には、ハクトウワシが翼を広げている。鷲の羽根の数は33枚、盾には13のストライプ、13個の実と13枚の葉のついたオリーブの枝と13本の矢とをそれぞれの足に握り、「戦争と平和」および「平和への願い」を表している。
またワシの頭はオリーブの枝のほうに向けられ、戦争のない平和な世界を願った思いがこめられている。鷲は合衆国のモットーである13文字のラテン語の「多数から一つへ」が書かれた布をくわえる。鷲の頭上には「栄光」を表す13個の星が青地の中に輝く。13個の星は六芒星(ダビデの星)の形に並べられている。
ヘブライ・ゲマトリアで13は、26の神の名前の半分を表す。アメリカが独立した時の州の数が13。
裏面は、レンガ造りの13層の金字塔(ピラミッド)型四角錐の上にプロビデンスの目が描かれる。上方の目玉は全て見通し、ピラミッドは新しく生まれた国家の光を浴びることを示す。上部のラテン語は「(神は我々の) 企てを支持した」下部のラテン語は「時代の新しい秩序」。
このデザインの原型は独立戦争時発行された大陸紙幣で、建国の父と呼ばれる55人の内の一人である、フランシス・ホプキンソンがデザイナー。