自戒を主な目的として、畏れ多くも聖人がお書きになった、繋辞上伝第5章 第一節よりの前半の
意訳を貼り付けておく。
自身に示された卦をお聞きになるスタンスの方はそのままの初心が聖人の心だと思いますので自由
になさって良いと思います。しかし、少しでも易を分かっているなどと思っている、私を含めた
浅ましい者は、各自、悔悟教誨し、易により一切の自己の百姓の心を破壊し、再起再生せよ。


繋辞上伝第五章
1つ1つの行動や物事における陰と陽のありようを把握していくことが本来の自分を生きる道
である。それを成し遂げれば善そのものであり、行い続ければ使命を達成する。それは正しい
在り方の実現であり、至高の知恵である。ただし、この普遍の働きの恩恵を受けながらも、
それを認識しない者も多い。易を実践する君子のありようはまだ世の中ではほんのわずかしか
行われていない。しかし、そういう中で易による正しい倫理よって正しく行動し、知恵に基づいて
あらゆることを理解し、あらゆる人を易による道に導くのが、易を創った聖人の行動であり、
心であった。易を知ったからには、そのように行動せよ。これはそのまま、豊かさを実現し、
大きな事業を実現できることでもあるのだ。