断るつもりだった。
けど、「わかった」と言ってしまった。
嫁の肩が震えていたからだ。これを断ったら、嫁が自らの命を絶ってしまうようにさえ見えたからだ。
嫁は微笑み、「これで、共犯ですね」と寂しそうに笑った。
今でも俺たちの「共犯生活」は続いてる。
子供が欲しいかと嫁に聞いたことがあるが、まだ罪は償えてないし、不必要な共犯者は増やしたくない、と避妊は続けている。
いつか元嫁に再会し、二人で頭を下げるまで、共犯生活は続けるつもりだ。