続き

あの日俺は仲の良かった同期と飲みに行った。同期は長く名古屋にいるので客先の事とか色々と教えてくれていたのでその感謝の意味もあった。
たわいの無い話をして久しぶりにベロベロになるまで飲んだ。
酔った同期は言った「よくあんな女と結婚したな」って、俺は美人な嫁の事をやっかんでるのだと思った。
しかし違った。
同期の話しでは嫁は岐阜にあるソープ街のNo.1泡姫だと。自分も何度も通ったし、会社の奴らも何度もお世話になっていると。
俺は信じられなくて、他人の空似だと言ったが、名古屋支店の男中には有名で「嫁が泡姫の○○課長」と裏で言われているらしい。
しかし、普段の嫁からそんな素振りは一度もなく、特に夜はおしとやかというか生娘みたいな嫁だ。
「いい加減な話だ、嫁と知り合ったのは札幌だし、そんな女じゃない」
同期の話しではそのNo.1が6年前に急にいなくなり、当時そのファンは涙したと。
「嘘だというならこれ見てみな」と一枚のDVDをよこした。
中身は裏DVDらしい、嫁は泡姫当時そっちの方でも人気だったらしい。
俺はそれを受け取り、飲み代を払って家に帰った。

同期の話しなど信用はしていなかったが、今日それを見た。
嫁だった。
6年前の嫁だった。
顔や声だけでは無く、胸の形とかアソコとか。決定的なのはホクロの位置。
俺は声を失った。
二日酔いもあって思わず吐いてしまった。

そう嫁は訳あり物件だった。だから、あんな美人なのに男もいないし、結婚もしていなかったのだ。
俺はどうしたらいいのだろう。
二日酔いだからと嫁の作った晩飯も食えなかった。