>>788
まだ終点では無かった武蔵五日市からバスに乗って、
渓谷沿いのキャンプ場に数合わせで参加した。
皆がグタグタの服装で参加したのに彼女だけは清楚なサマードレスで目を引いた。

どう見ても交配行動には乗りそうにも無いので、
浮いていた私と誘うと後が怖そうな彼女は、
カマドの火を起こしたりバーベキューの下ごしらえをしたりして只只汗を流す。

他の連中は着たまま渓谷に入る奴、
男女が互いにけしかけて見る間に素っ裸になっている奴ら、
BBQが始まる頃には交尾相手のカップルが出来上がっていて、
夕食もそこそこに交尾場所を求めてテントやバンガローに消えて行く。

私と彼女はうす暗くなる中で黙々と後始末をして、
いつの間にか残り火になったカマドを見つめて並んでベンチに座った。

彼女が「日が落ちると涼しくなるね」と言うのが誘いとも気付かずに。
その時カマドの薪が爆ぜて火の玉が彼女のサマードレスのすそから飛び込んで、
慌ててスカートをつまんで炎を消そうとする、
私も慌てて目の前の渓谷に連れて行って流れに一緒にドボンと。

いま思い出すと青春映画のワンシーンだな、
薄いサマードレスがすっかり透けてしまって薄明かりでも丸見え。
私が自分のTシャツなんかを絞ってドレスの代わりに着せてやって、
私はパンツ1枚でカップルが交尾最中のテントに声掛けして、
彼女の着替えを取りに行ってカップルにお邪魔虫扱いされる。

そんな珍事が元で距離が縮まって、
ご両親にも気にいられて、
養子は断ったけどマスオさん生活が始まって、
その後義父の会社も受け継いで今日に至る。
彼女は孫も出来たのに美魔女として君臨している。