嫁の話は
今回の出張の話を提案してきた間男の説明。もう既に俺が書いたやつとほとんど同じ感じ。要は仕事がすごく出来る男だと。自分も憧れていた。
気付いたら異性としても惹かれていた。

嫁は今までも百貨店内の他のショップのスタッフや時には客から好意を示された事があるらしいんだけどその時は既婚者だと一蹴してたらしい。
ただ今回の男はそんな態度は示さずに徐々に近づいてきた。ミーティングも二人きりの事の方が少ないし仕事のアドバイスはとても役に立つから警戒心が薄れていたと。
正直に言うと気付いたら2人だけのミーティングを楽しみにしていたとも認めた。
でいよいよ出張の話が出た時に引き返せないとこまで来てしまったと感じたと。
その時初めて男のやり口に気付いたらしい。
出張の話は本社も自分の店の誰もが期待しているから自分が断る事は難しい状況に囲い込まれてしまっていた。

何よりあれだけ俺が嫌っていた浮気の手前まで来てしまった。肉体関係はなくても、もし自分が同じ状況 俺が誰かに好意を持ったら 本当に悲しくなると思った。自分は大丈夫だと高を括っていた。何て卑しい人間なんだろう。
でもここまで来てしまったら正直に俺に言わないと心の底からは笑えないと思うけど言ってしまったらどうなるかわからない。
きっと自分だったら例え一時的に異性に好意を持ってしまったと言われたら本当にショックを受けてしまうしその後も信じれるかわからない。きっと俺も一緒だと思う。
だからもうどうしたら良いかわからなかった。本当に自分が嫌になった。

そんな話をしてくれた。