妻の入院中、俺が見舞いに行ったときに元カノとバッティングしてしまった。
妻は「丁度良かった。あなた達に話がある」と言い、語り始めた。要約以下。

・二股されている事は気づいていた。相手が誰かという事も知っていた。
・でも俺を取られたくないがためにゴムに細工をして娘を授かった。
・その事に対して元カノに罪悪感はあったが、平気な顔をして紹介されたことに
殺意を覚えた。
・でも、元カノと話してみるといい人なのがわかってしまい、自分の感情の
行き場に悩んだ。
・私との結婚を機に関係を清算していたのもわかっていたけど、それでも
お互い付き合いを続けてる事に、自分が入り込めない絆を感じた。
・子供の将来を思えば、俺一人に娘を預けるのに不安がある。
・もし、私に対し元カノが少しでも罪悪感を感じているのであれば、今後の
娘と俺の面倒を元カノに見て貰いたい。
・娘を一人っ子にするのは嫌なので、元カノとで娘の姉弟を産んで欲しい。
・元カノ以外と再婚する事は許さない。そうなった場合は化けて出て呪い殺す。
・死に逝く人間の最期の我儘、どうか聞き届けて下さい。

元カノは泣きながら妻にごめんなさいと言い、俺は何も口に出来なかった。
臨終の間際、妻は俺に「約束は守ってね」と笑顔で言い、それが最期の言葉となった。