死亡事故を起こしたビーナスを遺族側が告訴 [女子テニス]

 今年の6月初めにフロリダ州で交通死亡事故の当事者となったビーナス・ウイリアムズ(アメリカ)だが、
ウィンブルドンには出場することをビーナスの広報担当が発表している。

 37歳のビーナスは、来週月曜から始まるウィンブルドン出場のため、ロンドンに滞在していることが確認されている。
ウィンブルドンで5度の優勝を誇り、20度目の大会出場となる第10シードのビーナスは、1回戦でエリーゼ・メルテンスと対戦することが決まっている。

 フロリダ州パームビーチガーデンズ警察は、ビーナスが関わったこの死亡事故に関して、6月9日にビーナスの運転する車が赤信号で交差点に進入し、
事故から2週間後に脊髄骨折、および重度の体内損傷により死亡した78歳のジェローム・バーソンさんの妻であるリンダさんが運転する車と衝突したと、
目撃者が証言していると伝えた。

 リンダさんの弁護士マイケル・ステインガー氏は、バーソンさんの遺族側がビーナスを告訴したことを伝えた。

 ビーナスは捜査官に、信号が青のときに6車線の交差点に入ったが、自分の車の前で起きている交通渋滞のために交差点の真ん中で止まることを強いられた、
と話した。そして彼女は、バーソンさんがいた車線を横切ったときに、バーソンの車は見えなかったとも答えている。

 パームビーチガーデンズ警察のポール・ロジャース氏は、この交通事故はまだ捜査中だと言い、パームビーチ・ガーデンに住んでいるビーナスは、
召喚されても、逮捕されてもいない。報告書によれば、ビーナスは薬物やアルコールを摂取していた形跡はなかったと伝えている。
さらにロジャース氏は、法的にまだ情報をすべて公開することはできないとも言っている。

 報告書によれば、バーソンさんの妻リンダさんが運転していた車(2016ヒュンダイ)は、ビーナスの車の横側に衝突した。
リンダさんは捜査官に、信号が青になったときに自分は交差点に近づきつつあり、間に合うタイミングで止まることができなかった、と言った。

 リンダさんは、詳細は明確ではないが深刻ではないケガを負い、6月17日に37歳になったビーナスは無傷だった。

 ビーナスの弁護士マルコム・カニングハム氏によると、ビーナスは「愛する者を失った家族の方々に心からのお悔やみを述べた」と声明文の中で言っている。

 3人の子供と13人の孫を持つ元教師だったバーソンさんは、1975年にフィラデルフィアから南フロリダに移住し、これまで健康であり、
妻のリンダさんとディズニー・クルーズに行く予定だったことを弁護士のスティンガー氏は伝えている。

「リンダさんは、この事故で右腕を骨折し、肉体的にも精神的にも打ちのめされている。
夫のバーソンさんを愛し、何をするにも2人は一緒だった」とスティンガー氏は言った。

 ビーナスの弁護士カニングハム氏からは、今のところこの件に関するコメントはない。

 スティンガー氏は、この事故映像をとらえた監視カメラがあるのではないかと疑っているが、警察および事故現場周辺の住民組織は、
カメラが存在するかの確認を拒否していることを伝えた。

 ビーナスのような著名人がこの事故に関与していることで、捜査が通常よりも時間を要していることを警察は認めている、とスティンガー氏は言っている。

「警察は捜査に全力を尽くしている。すべてが分かった上で情報は公開され、
ビーナスの処遇についてはそのときに決定される」とスティンガー氏はコメントした。

 セレナ・ウイリアムズ(アメリカ)の姉である元世界1位のビーナスは、7つのグランドスラム・タイトルを獲得し、
そのうち5つは彼女のお気に入りの大会であるウィンブルドンで獲得したものだ。
セレナとのダブルスでも14度にわたりグランドスラムのタイトルを獲得している。 

 2011年に彼女は自己免疫疾患である、ショーグレン症候群と診断されたことを明かしていた。
病気、また故障と闘っている間に、彼女のランキングは100位以下に落ち、2011年から2014年まで、
彼女はグランドスラム大会で一度しか3回戦を超えることができなかった。早期敗退が続く中、引退についての問いは繰り返し上がっていた。
これらの問いは今でも投げられはするが、病状の改善とともに彼女はキャリアを復活させ、今年1月の全豪オープンでは決勝に進出して、
そこで妹セレナに敗れていた。

https://headlines.yahoo.co.jp/hl?a=20170701-00010009-tennisd-spo