僕が通っていた学校では毎年夏の終わりに記録会というのがあった。
まぁ、その年どれくらい泳げるようになったかはかるもので、テストみたいなものだった。
テストのほかにも騎馬戦とかリレーとかレクリーエション的なものもあった。
いつもは2クラス合同で授業をするんだけどこの記録会は学年合同でやっていた。
で、この記録だけど学年合同で行うからいつもの時間割りの体育とは違う時間に行われている。
で僕のクラスは前日に水泳の授業があって間の悪いことに夜の間に母親が洗濯しておいてくれてなかった。
朝になって持っていく水着がない事に気づき母親に猛抗議すると一言「兄ちゃんの借りればいいでしょ」。
そして、しぶしぶ兄貴の水着を持っていった。
ちなみに兄貴の水着はボックスタイプの水着だった。
学校で着替えてみるとやっぱりちょっと大きめ。
だけど歩くだけでずれるような状態でもなかった。
まさか脱げる事はないだろう。
それよりも結び目が解けなくなるほうが怖かった。
だから紐を引っ張るだけしかしなかった。
いよいよ記録会がはじまり僕の番になった。
ちなみに僕は泳ぐ事は余裕(50mぐらいは余裕で泳げた)なのでタイムがどれくらい縮んでいるのかに興味があった。
いざ壁をけってスタートした瞬間だった。
フワっと浮く感覚があって次の瞬間ズリっと水着がずれた。
水面ではお尻が丸々、水中ではシシトウとキウイがポロンと出ている状態になった。
僕はパニックになった。
ヤバイ水着をはき直さないと、でもテストだからとまるわけにはそうしよう。
でもこの一瞬の迷いがいけなかった。
時間にして1秒ぐらいだったが太もも近くまでずり下がった水着はものすごいスピードで足首からすり抜けた。
(ほんと一瞬だった)。
ここでやっと泳ぐのをやめて水中に脚を着いた。
7メートルぐらいしか泳いでいなかったが僕の水着はスタート付近にふわふわ浮いていた。
プールサイドは大騒ぎだった。
女子の悲鳴と男子の笑い声。
僕はシシトウを手で隠し水中で動く事ができなかった。
というのも泳ぎの記録を先生が記録するため途中で止まってしまった生徒は先生が記録をとるまでそこを動いてはいけない事になっていた。
でもさすがに緊急事態だから脱げてしまった水着を取るために歩こうとすると
「おい○○、動くなよ!ルールだぜ(笑)」と意地悪な男子に言われ僕は動く事ができなかった。
先生が笑いながらやってきて7mと記録をとった。
そして「どう?泳ぎなおす?(笑)」と聞いてきた。
というのも記録は最初に立ってしまったところになるのだが納得いかない人はたったところから再スタートしてもよかった。
僕は「はい」と返事をして脱げた水着をとtるために歩き出した。
するとおい○○、動くなよ!ルールだぜ(笑)」と意地悪な男子がまたいってきた。
たしかに、ルールではとまったところから再スタートしなければいけないが…。
僕は困ってしまい先生を見た。
すると先生もさすがに「まぁ、今回はしょうがないよね」といって水着を取りにいく事を許可さしてくれた。
しかし「ルール破るのかよ」と食い下がる意地悪男子。
ルールを破のかといわれると先生は何もいえなくなり「わかったわかった。○○君歩くのはやっぱりよくないわ。ごめんね」といってきた。
そういわれてしまうとどうしようもなくなり「じゃあもう泳がないでいいです」といって水着を取りにいこうとする僕。
しかしまたまた意地悪男子が「おい○○。さっきは泳ぐって行ったじゃないか!お前うそつきだな」。
周りの男子も次々に「うそつき!」とうそつきコールが始まった。
先生も「ちょっとやめなさい」というものの全然効果がない。
僕は猛やけくそになっていた。
「クソー!!」というと再び泳ぎだした。
プールサイドが再び大爆笑になったのがわかった。
シシトウがゆらゆらゆれるのがわかった。
僕は結局50mを泳ぎきった。
やけくそだったし50m泳いで水着のところに帰ってきたのだ。
まあ普通に泳いでいる限りはお知りは見られてもシシトウは見られないってのもあったし。
水中の水着を手に取りはこうとしたが水着が裏返っていて履くのに苦労した。
この後卒業まであだ名がフルチンになった。