コロナと闘う兄弟子に…白鵬が送った動画、四股の音だけでも聞いてもらいたかった


 兄弟子も天国から見守ってくれていた。2日の午前1時半ごろだったという。入門した時からお世話になった兄弟子で、元幕内光法の峯山賢一さんが亡くなった。
横綱が名古屋へ移動したのは先月27日。初日へのカウントダウンが始まる中で、横綱は回復を信じて四股を踏む自身の姿をスマホで撮影した。峯山さんの親族へ届けるためだった。

 コロナに感染した峯山さんは、名古屋市内の病院に入院した直後の5月中旬に症状が悪化。人工心肺装置(ECMO)を装着し1カ月以上も闘っていた。

 峯山さんに意識がないことは知っていた。四股を踏む音だけでも聞いてもらいたかった。「邪気を払うように四股を踏みます」と口頭でメッセージを添えた。
それまでお見舞いに訪れていた人によれば、手を握って呼びかけたら、峯山さんの目から涙がこぼれ落ちたという。きっと四股を踏む音も届いたはずだ。

 待ってはくれない進退場所。奇しくも光法が得意とした左四つからの投げで、大事な初日を勝利した。兄弟子と確かめ合った、信じる力を胸に踏み出した。

https://news.yahoo.co.jp/articles/068434864cbc82c1bc3b24d6d8077f63f85cd1ee