>>373
ええー、記憶はその程度か?
大鵬・玉の海喪失後の沈滞ムードを払い、初場所できっちり連覇を果たして綱取り成った琴櫻への注目は非常に大きかった。
また、思ったよりも早く一気に綱を奪った輪島の強さが完璧過ぎてサイボーグのようで新鮮だった。
綱取りに成功した琴櫻は上半身だけなら歴代屈指のパワー、
左のど輪・右おっつけの定型のみ、攻撃一辺倒の脆さを抱えていたからこそ稀勢の里を応援するようなハラハラ感満点で
名古屋で優勝したときは一番一番の勝ちの拾い方がすこぶるスリリングだった。
旭國戦など寄り切られる寸前で腹に乗せてうっちゃって大歓声。千秋楽で輪島に勝ち、さらに北の富士との決定戦を制したのは
それが無ければ結果的に一度も優勝しない横綱になるところ。この年は遅咲き琴櫻に花を見た1年でも。まさに猛牛だった。

年の後半はあっという間に全盛期の白鵬状態に至った輪島の強さが段違いに輝いて見えた。蔵前の星、役者が違った。
九州場所、休場しながら優勝するというありえないシーン、圧倒的な力の差の見せ方に、世代交代を決定付けた。
既に北の湖が上がってくる足音が迫っていて、この1年は新時代の役者たちが出揃って黄金時代が到来したことを感じさせた。
優勝争いだけではなく、大受・鷲羽山・大錦といった脇役の大活躍もあって土俵は湧き続けていた印象。
(二場所続けて三賞独占力士が出るなど、現在からは想像もできないインフレぎみのカタルシスが土俵にあった)