今も昔も、テレビというメディア装置には、大衆を惑わせる魔力があります。アメリカ政治史において、最初にそれを最大限に利用したのは、日本でも有名なあのJ・F・ケネディでしょう。
共和党のリチャード・ニクソンと戦った1960年の米大統領選挙で、ケネディが勝利した最大の要因は、なんと「テレビ映り」だったといわれています。
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選挙中に行なわれたテレビ討論会でのディベートは、発言を文字に起こしたものを冷静に読み比べれば、ニクソンのほうが説得力のある内容でした。
ところが、キレイなスーツを着こなし、メイクをばっちり決め、自信満々な態度で乗り切ったケネディのほうが、視聴者に与えたインパクトは大きかったのです。

こうした傾向は後の大統領選でもしばしば見られ、例えば76年のジミー・カーター、80年のロナルド・レーガン、92年のビル・クリントンの勝利には、テレビ討論での「印象」が大いに影響を与えたとされています。

近年の日本政界で、こうしたテレビの特性を最も理解している政治家は、間違いなく小池百合子東京都知事でしょう。
彼女は元キャスターという経歴もあり、しばしば「アウフヘーベン」「ワイズスペンディング」といった印象的なカタカナ語を使うなど、いかにもディレクターが喜ぶような“テレビキャッチー”な振る舞いをする能力が極めて高い。
その魅力に抗えず、各局は彼女の顔を映す時間が長くなる。テレビが映すから支持率が上がり、支持率が上がるからまたテレビが取り上げる…。

よくよく彼女の発言の“遍歴”をふり返ってみれば、原発政策にしろなんにしろ、変節だらけの政治家であることは明らかです。
また、昨年の都知事選でも、今回の衆院選に関する一連の言動を見ても、チャレンジャーの立場をいいことに「改革」や「しがらみ打破」といったワンフレーズの訴えに終始し、具体的なことはほとんど口にしません
(「メイク・アメリカ・グレイト・アゲイン」とひたすら連呼したトランプのようです)。小池氏の緑の“戦闘服”が、玉虫色にしか見えないのは僕だけではないでしょう。

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