バラエティ番組は意図的な編集で「どうでもいいこと」をすごいように言ったり,適当に盛り上げとけばいいというスタンスを端々から感じるから基本的にあまり好きじゃない.自分の経歴は大したことがないパートとそこそこ珍しいパートの二つがあって,どうも世間の関心は実際の希少価値とは関係がないらしい.天才? そんなわけないだろう.この世の天才は恐ろしく少ないし滅多に合わない(2−3人知ってる,5000人くらいFacebookに友達がいても混入されていない).ただ自分のレア度は結構高めである自己認識はある.

例えば,名門開成高校とか27歳で助教!みたいな原稿がくる.本当は東大で早期修了とか32歳でセンター長の方がレア度は高い.しかし博士課程とか機構の長とは何かということがわからないのでその話にはならない.論文(弊分野はカンファレンス主体)とかベストペーパーとか受賞も多いけれど,研究やアートのお作法はあまり興味がないようだし,メディアアートとか表現の機微に至るともっともっと興味なさそうだ.さらに言えば自分の会社の課題解決やバリュエーション,研究室の学生がどんだけ育ったかとかの教育者としてのパフォーマンスにも興味がないらしい.一体何に興味があるのかがわからない.まぁ自分はその辺の掛け合わせからくるレア度はかなり高い方だとは思っている(世界を見回しても).他にやってる人がいない.だから自分にしか見えな文脈や違和感はたくさんある.だけど,その辺の背景のことを理解するためには個別の事例を深掘りしないといけないが,それをテレビでは行わないからなかなかわからない.結局消費コンテンツを探しているだけなのだろう.だからそういう番組に興味が持てない.

そういう修正が多いので,今回は事前にインタビュー文字起こしを見せてもらったり,ナレーション原稿を見せてもらったりした.スタッフには大感謝である.すごくたくさん下らない質問やナレーションを切った.自分を持ち上げる紹介はどうでもいい.

公開期間が1ヶ月だそうなのでお見逃しの方は見ておいてもいいかもしれません.

個人的にはサウナの話がしたかっただけなので,回収されて本当によかった.

思えば情熱大陸の密着っぷりはよかった.ああいう密着やってくれれば日々の忙しさもわかると思うんだけど,全部の機関を跨ぐ秘書さんや右腕のような人がいないから,自分のコンテクストと考え方を知っているのは自分だけなんだろう.(おそらく今後も共有もされない)