羽生
あと、アイスショーは氷を張ること自体にかなりのお金がかかるので、売上をつくっていかなきゃいけないんですよね。それがないと、つぎが開催できなくなるので。

糸井
ああ、そうか。だって、氷のないところに、つくるわけだから。

羽生
そうなんですよ。だから、会場を1週間おさえても、氷を張る時間が必要なので2日間しか公演できないんですよ。

糸井
そうか、そうか。

羽生
じゃあ1日の公演数を増やそうっていう考え方もあるんですけど、それをやるとやっぱり、クオリティが下がってしまう。キャッチーに、ラクに回せるようにつくろうと思えばたぶんつくれるんですね。それこそ過去の知名度の高い演目をメインに、くり返していくようなことは可能だし、ファンの方もよろこんでくれるかもしれない。でも、それをやっててたのしいのか、意味があるのか、って言われたら、やっぱり、それは違うなと思って。せっかくやるなら、来てくださった方に、お金では変えられないような、特別な体験をしてもらいたいですから。