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ただ、ここにこそ、今回の問題の本質である「負のスパイラル」のポイントがあります。

過剰報道を止めることはできるのか
まず、「負のスパイラル」の一つの原因であるメディアの過剰報道ですが、残念ながら、これを完全に止めることは難しいのが現実です。

8月に羽生さんが結婚報告をされる際に、あえてお相手の情報については一切触れない形でSNSへの投稿で実施されたことは、メディアにも大きく注目されました。

この発表方法は明らかに、お相手が一般人であることから、報道をしないでほしいという羽生さんの意思が感じられるものでした。

その結果、多くの大手メディアは、それ以上詮索することはせず、羽生さんの意思に沿った形での報道をしていたわけです。

しかし、結局、翌月には一部週刊誌や地方新聞が実名での報道に踏み切った結果、他の週刊誌も追随して実名報道をする流れになっています。

個人のプライバシーは当然守られるべき権利として存在しますが、一方で日本には「報道の自由」も存在します。

メディア側からすれば、著名人の配偶者というのは、著名人の知名度の恩恵を受けるのだから、一般人ではないと考えるというメディアもいます。

また、今回の羽生さんのお相手の方が、過去に芸能人的な活動をされていたと一部メディアで報道されていることから、広い意味での一般人ではないと判断するメディアもあったのかもしれません。

また、現在の何でも曝露されてしまうネット時代において、羽生さんほどの著名人が、配偶者について完全に隠し通すという選択自体が難しかった面もあると考えられます。

いずれにしても、こうしたプライバシーと報道の自由のバランスは、海外でもパパラッチなどの過剰報道の問題が良く注目されますが、世界的に解決が難しい問題とも言えるわけです。

ネットの普及で、大勢に過剰報道記事が届いてしまう時代に
ただ、インターネット以前であれば、そうした過剰報道の記事を目にするのは、そうした媒体を購入する読者だけでした。