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◆剣道部員死亡、元顧問にも賠償責任 大分地裁判決「重過失あった」

大分県立竹田高で2009年、剣道部の練習中に熱射病で倒れ、死亡した工藤剣太さん=当時(17)=の両親が、
県を相手取り、当時の顧問と副顧問の教諭に賠償責任を負わせるよう求めた訴訟の判決が22日、大分地裁であった。
竹内浩史裁判長は、元顧問に「重過失があった」として、県が元顧問に100万円を請求するよう命じた。

弁護団によると、体罰による業務上過失致死罪など、刑事事件にならなかった部活動の指導で、
教諭の賠償責任が認められるのは異例。部活指導の在り方に一石を投じそうだ。

判決によると、09年8月22日、元顧問は工藤さんに他の部員より多く打ち込み稽古をさせた。
工藤さんは「もう無理です」と訴え、竹刀を落としても気付かないまま構えのしぐさを続けた。
元顧問は、工藤さんが倒れると横腹を蹴り、再び倒れると体の上にまたがり、
「演技じゃろうが」と言いながら10回程度、頬を平手打ちした。
元顧問は「気持ちを奮い立たせるためだった」などと主張した。

だが、竹内裁判長は元顧問が保健体育の教諭として熱中症対策を教えていたことなどから、
「竹刀を落とした段階で熱射病による意識障害が出ており、放置すれば死亡の危険が高いと容易に認識できた」と認定。
その後の平手打ちなどは「状態を悪化させる不適切な行為で、重過失があった」と結論付けた。

裁判は、賠償責任を負った国や地方公共団体は、公務員個人に故意または重大な過失があった場合、
賠償の負担を求める権利(求償権)を持つとする国家賠償法の規定に基づき起こされた。



西日本新聞 2016年12月23日 06時00分
http://www.nishinippon.co.jp/nnp/national/article/297522