第1ゲームを快勝し、第2ゲーム、9−6とリードの時だった。
潮田がサーブを放つと、主審の対面に位置する日本人サービス審判(44)の右手が上がった。
フォールトの合図で、相手に得点が入った。最終ゲームの3−4でも同じ違反を取られた。
サーブのフォームを以前と変えたわけではない。
なのに2度目の違反を、追いつくチャンスの大事な場面で取られ、潮田は信じられないといった表情を浮かべた。

 バドミントンのサーブには、ネット際に落とすショートと、深く打つロングがある。
その組み合わせで相手レシーブの攻撃をかわすのだが、
潮田は「今までロングでフォールトはあったけど、ショートでは記憶にない」という。
違反を取られることでサーブにプレッシャーがかかる。
事実、ペアの池田も「(潮田の)サーブが乱れてしまったのが分かった」と話した。

 11日に決勝だった全日本社会人で初優勝。その後、池田、潮田ともに代表合宿で、徹底して混合の強化を図った。
潮田も「優勝した社会人の時よりもずっと混合らしくなっている」と手応えを感じていた。
また今大会は、ツアー最高峰のスーパーシリーズ。勝てば世界ランクの上昇も期待できた。
それだけに微妙な判定に悔しさが倍増だ。
「もう! って感じ。でも、次にがんばらなくちゃ」。
来月のオランダ、デンマークのツアーに向け、最後は笑顔で気持ちを切り替えていた。【吉松忠弘】