役目を終えて戻ってくると、使役者はすでに眠りに入っていた。
ドリームは彼の顔をじっと見た。まだ幼さの残る顔に疲労の色が見える。
新しい主にこそならなかったが、現主への献身的サポート、本人の努力や実力を以ってして彼はカード達からも一目置かれていた。
だからこそ、この異常な事態の中でカード達が彼のいうことを聞いていると言っても過言ではない。
それでなくとも、ドリームはかつて自分を封印した小狼のことを少なからず特別に思っていた。
出過ぎた振る舞いかもしれない。けれど、このようなイレギュラーな状況なのだ。
カードの自分が少しばかり勝手な振る舞いをしても主は許してくれるだろう。そして、彼も。
ドリームは対象者の額にそっと手を当て、願った。
この心優しき少年に、安息の夢を。