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屋久島社長遺棄 裁判員にすべて女性選任/鹿児島地裁
(2010 10/26 11:11)

 屋久島町船行の会社社長=当時(73)=が連れ去られ死亡し、遺体が古井戸から見つかった事件を審理する裁判の
裁判員6件選任手続きが25日、鹿児島地裁(平島正道裁判長)であり、裁判員6人、補充裁判員2人の計8人すべてに女性が選ばれた。
同地裁が全員を同性から選任したのは初めて。全員女性が務めるのは全国でも異例とみられる。
 全員が女性だったことについて、弁護側は「特に問題ないと考える」、検察側は「抽選で決まったことなのでコメントはしない」としている。
 地裁によると、出頭を求めた22人のうち19人が出席。4人の辞退が認められ、残る15人の中から8人が選ばれた。
いずれも20〜30代程度の比較的若い女性とみられる。地裁は候補者100人に調査票を送付したが、職業上の都合などで78人を除外。
裁判員候補者の性別は明らかにしていないが、同日出頭した候補者に男性は含まれていたとみられる。
 志学館大学法学部の藤吉和史教授(刑事法)は「裁判員6件全員が女性なのは全国でも初めてではないか」とした上で「裁判の進行に問題はないと思う」と話した。
 ただし、「幅広い層の市民が参加することが本来の趣旨。抽選でたまたまなら、やむを得ないが、そもそも19人しか出頭していないのは気がかり。
対象人数が多ければ、性別や年代も分散される」と指摘した。