裁判官は法に基づくことが仕事なのだ。
世間の顔色を窺うのが仕事ではない。
ほとんどの裁判官はそれを心得て、判断をゆがめることがないよう肝に銘じ、法に殉じて判決を下しているはずだ。

ところがここに、無作為に選ばれた素人集団の判断が判決の結果を左右することになるとどうなるか。

彼らはおそらく、自身の意見が知らず知らずのうちにマスコミ等の影響を受けていることに無自覚であるし、
自らの主義主張によって事実を自己の中で歪曲してしまう可能性について無自覚であるし、
相手の性別や容姿・仕草などによって無意識に贔屓してしまう危険性についても無自覚である。

国の財政はますます苦しくなっている。誰もが無駄な支出をなくすべきだと毎日声高に主張している。
裁判員制度を成り立たせるための経費はいくらになるのか。