いままでに過料を取られた人は1人もいません。
これからも絶対に取られません。
なぜなら、過料は科料ではなく、民事責任にすぎないからです。
裁判員法には、「正当な理由なく出頭しない場合」に
「10万円以下の過料を科すことがある」と書かれています。
ただ呼出し状を無視しただけでは、正当な理由があるかないか判断できません。
裁判所は、本人の出頭を求め、正当な理由が無かったことを確認しなければ
過料は取れません。また過料の支払いに不満の場合は即時抗告が認められています。
このすべての手続きをへて、本人に過失があることを証明したうえでなければ
過料は取れません。しかも「10万円以下」というのは、その責任がどれほどかを
裁量し証明し、金額の相当性を立証しなければなりません。
民事裁判の証人の不出頭にも「過料」が書かれていますが、現実にそれが
執行されたという例は寡聞にして聞いたことがありません。
現実に過料を徴収しようとすれば、裁判所はそれだけで機能マヒを起こしそうです。

けっきょく過料はただの出頭率を上げるための脅しにすぎず、裁判所は
実際には取れないにしても、それを白状すれば、ほとんどの人が裁判員に
出頭しないのは目に見えています。だから、裁判所は過料の徴収については
ずうっと沈黙を決め込むものと思われます。