このように、
増え続ける並行世界はいずれ次元の容量を超えてしまう。

並行世界というものはなくてはならないものだが、
ありすぎてもいけないものだ。

おおざっぱな目算だが、
地球の文明レベルであれば百年も続けばこの太陽系は破裂するだろう。

だが事実として我々は生存し、繁殖している。
太陽系は情報量によって飽和する事なく、
むこう一億年は今の方式で存続できる。

理屈は簡単だ。
世界と言うものはある程度進むと可能性の統計をとり、
“次の時代の運営”に無理のない結末だけを存続させる。

不要と判断した世界の並行世界―――
その未来を閉ざすんだよ。
(中略)
だからあまたに存在する並行世界に文明のズレはない、
(中略)
そして、この方式はムーンセルでも同様だ。

ムーンセルは地球上のあらゆる事象、
可能性を記録し続ける観測機械にして自動書記。

これは並行世界の観測そのものとも言える。
(『Fate/EXTELLA』未明篇プロローグ)


・以下原文(スカサハが永遠にあり続ける)
スカサハ
「私は、世界の外側に在り続けるモノ。
 老いず、死なず。
 永遠にあり続ける「何か」であったはずのモノ。
 名はスカサハ。真名などというのはこそばゆい、
 異境にして魔境たる影の国のあるじである。」
(『スカサハ体験クエスト』プロローグ「魔境のあるじ」)