>>476
そんな導火線で遊ぶような真似は、あのとき毛頭やらかす気もなかったさ。
賭けてもいいが、ハルヒのやつは俺の腕を引っ掴むやいなや、なるほど体育系の部活連中が雁首揃えて勧誘に来たと言うのも分かる瞬発力で、俺に背負い投げ技を掛けたと思うぜ。
そして俺はいつぞやの野球大会ん時の硬球くらいにすっ飛んで、空中で数回転した挙句、無様な体勢のまま猛然とコンクリへ激突。
三半規管が悲鳴を上げて、これなら朝比奈さんとの時空旅行で散々味わった制限速度撤廃ジェットコースターの方が何倍もマシだったし、っつかどうせ柔道すんなら朝比奈さんとやりたいね。
ハルヒはつっかつっかと歩み寄ると、地面に仰向けで倒れる俺に指を突き付けて、

「このエロキョン! あんたがこのあたしに触ろうなんて百年早いわ!」

そう言って、笑顔とも怒り顔とも付かない瞳に、はくちょう座α星並みの輝きを瞬かせやがるに決まってるのさ。