Q.鳥嶋さんが担当されてヒットしたマンガに、共通点ってあると思いますか?

鳥嶋氏:
 あります。「子どもに伝わったもの」ということです。子どもに伝わってヒットしたものって、大人にも届くんですよ。でも逆はない。
 必ず前向きで明るいものが多いんですよね。子どもに「主人公は自分だ」と思わせるためには、やっぱり明解じゃないといけない。ヘンに陰があったり、くよくよ悩む主人公はダメなんですよね。

 考えさせられたのは、僕が現場でマンガを作っていたときに『ガンダム』が当たっていると聞き、劇場に観に行ったときのこと。アムロというグダグダ悩んでいる主人公を観て、「ああ、なんてアニメだ」と思ったんです。
 ですが、もうちょっと年齢が上の人にとって、「これはこれはである種の等身大なんだな」とも思ったんですね。

 ただ巧いのは、シャアという、ちゃんとしたカッコいいヤツが脇にいるんですよね。グダグダしているヤツだけだったら、ぜんぜんヒットにならないけど、シャアを作っているあたりに、僕はプロとしての腕を感じました。

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