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市原悦子さん死去、82歳「家政婦は見た」など出演
[2019年1月13日18時56分]

2時間ドラマ「家政婦は見た!」などで知られる演技派女優の
市原悦子(いちはら・えつこ)さんが12日午後1時31分に
心不全のため死去したことが13日、分かった。82歳だった。

市原さんは16年11月に自己免疫性脊髄炎のため都内の病院に入院し、
以降、芸能活動を休業した。
17年2月にはリハビリ専門病院に転院し、退院した後は都内の自宅でリハビリに励んでいたが、
思うように回復せず、同11月には出演予定だったNHK大河ドラマ「西郷どん」のナレーションを降板した。

しかし、昨年3月、NHK「おやすみ日本 眠いいね!」内で担当するコーナー
「日本眠いい昔ばなし」の朗読を自宅で収録。
亀が人里へ助けを求めに行く「亀の使い」の話で、動物たちの声を6種類の声色で演じた。
以降、月1回のペースで同番組の声だけの収録を自宅で行ってきた。 最後まで女優として仕事を貫き通した。

市原さんは、早大を経て、俳優座養成所に入所。
同期には大山のぶ代さん、ジェームス三木さん、冨士真奈美がいた。
57年に俳優座に入団し、新人時代から度胸のいい演技で、舞台、ドラマ、映画で活躍。

71年に退団後は、75年から約20年にわたって声を担当したTBS系アニメ「まんが日本昔ばなし」、
高視聴率を記録した2時間ドラマ「家政婦は見た!」(83年〜08年)、
NHK大河ドラマ「秀吉」の秀吉の母なか役など、演技派の女優として人気を得た。
90年には映画「黒い雨」で日本アカデミー賞最優秀助演女優賞を受賞した。

私生活では、俳優座で同期だった演出家の塩見哲さんと61年に結婚した。
子宝に恵まれなかったが、おしどり夫婦として知られた。
12年に市原さんがS状結腸腫瘍の手術を受けた時も、
塩見さんは病床の妻を支えていたが、14年に肺炎で亡くなった。
直後から市原も心身ともに衰えを隠せなかった。