しかしそんな力石もジョーに密かにコンプを抱いていたのは想像に難くない。
観客ぶん殴るような荒くれ者も年少では看守にへつらって模範囚を演じてた
力石にとってジョーの無鉄砲な野良犬っぷりは眩しくもあったのではないか?
そして、葉子のジョーに対する微妙な心変わりのような様子を見るに
こいつは倒しておかねばならないという嫉妬心が燃え上がったのではなかろうか?
ジョーの挑戦を力石が受け止める、という図式に見えて実は
ジョーは力石にとって越えるべき山だったのだ