>>74
オリヴァーは全寮制を嫌がるセディを不思議がった。
オリヴァー「なぜ若君は全寮制が嫌いなんだい?」
セディ「えーと、以前に聞いた話なんですけどインドで育った女の子がお父さんに
連れられてロンドンの全寮制の学校に入ったらしいんです。その子はお母さんが
すでにこの世にいなく、お父さんだけが唯一の血のつながった人だったみたい。
そうしたらそのお父さんが仕事先のインドでダイヤモンド鉱山を見つけようと仕事中に
亡くなったんだって。そうしたらそこの学校の校長先生や同級生がみんなでその子を
いじめて…最後には知り合いの弁護士さんがその女の子を捜してお父さんの遺産を
相続してめでたく住み込みの女の子を自分のメイドにして何とか不幸から抜けたんだけど
僕も寮に入っていじめられたくないからイヤなんです」
ブリジット「そういえば最近、ロンドンでそう言う事件があったわねえ…」
オリヴァー「じゃあ若君はここにお父様と一緒に住めばいい。お父様も仕事で
ロンドンに滞在することが多い。ここにお父様とアニーさんと
若君3人で住めばいいよ」

ハビシャムはおかしな心境に駆られた。
ハビシャム「こら、オリヴァー、そういう大切なことは御前の許可を
得ないとできないよ」
オリヴァー「だから例えばの話ですよ。数年後の話しだし、その時また改めて
決めればいいんじゃないでしょうか?」
伯爵「ハビシャム、セドリックはまだ8つじゃし、全寮制と言っても子供にとっては
抵抗があるじゃろ。大きくなれば考えも変わるかも知れん」
ハビシャム「そうれはそうですが…」