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そして8時を廻って皆が出掛ける準備を始めた

ハビシャム「9時までには着いていないといけないから、そろそろ支度をしましょう」
アニー「ええ」

ハビシャムさんは支度をしながらも、ずっとウェリントン夫人の件で、どうすればいいのか考えていた
ローズィ「お父様」
ハビシャム「ん?なんだね?」
ローズィ「重大な事態なのは分かりますが、あまり無理をなさってはいけませんよ」
ハビシャム「ああ、分かってるよ」
ローズィ「私は直接手助けは出来ませんが、家のこととか何でも仰ってくださいね。お父様は昔からすぐ無理なさるから」
ハビシャム「お前は本当にキャロルに似てきたな、お節介なところが」
ローズィ「そりゃあ親子ですから」
ハビシャム「でもキャロルもお前も、お節介だけど暖かくて、私にとって包容力のあるよき理解者だな」
ローズィ「お父さんはね、気分が良くないときに限って気丈に振る舞おうとするの。
小さい頃からよく見てたから分かります」
ハビシャム「そうだね、キャロルもそんなときはよく励ましてくれたなぁ…
口うるさいこともあったけど、素敵な女性だったな」
ローズィ「そうね、でもアニーさんも素敵な女性だと思うわ」
ハビシャム「ありがとう、ローズィ君もキャロルのように素敵な女性になるさ。いや、もうなっているか」
ローズィ「いえ、まだまだお母様やアニーさんには及びません」
ハビシャム「それもそうだな」
ローズィ「もう、お父様ったら」
二人は笑った。ハビシャムの気持ちはかなり紛れた