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一方、学校へ行ったブリジット
窓の外をボーと眺めていた。
ブリジット「あ〜あ、学校へ来て勉強ってイヤね。お父様も貴族ならセディの
ように自宅でお雇いの教師とマンツーマンで授業を受けるのに…」
ブリジットの父は準男爵だが貴族ではなかった。
イギリスでの貴族は男爵以上の位(公爵、侯爵、伯爵、子爵、男爵)のみである。

上の空で授業を受けていると先生から指名された。
先生「ブリジット、この問題の答えは?」
ブリジット「は、はい。17世紀後半に起きた英蘭戦争です」
先生「そこはこの間、やりましたよ。今、私が聞いているのはナポレオンが
ロシアに遠征したのはいつかって質問したのですよ」
ブリジット「…」
先生「あなた、授業中に考えごとをしていたわね。…1812年のことです」
ブリジットは1812年と聞いて最近の新聞記事に書いてあることを思い出した。
ブリジット「そういえばロシアの作曲家のチャイコフスキーの曲ですよね。
一週間前にロンドンでも演奏されたようです」
先生は怪訝そうな顔をした。
先生「あなたは歴史の知識を音楽から習得しているのですか?いけませんねえ…
いいですか?授業にちゃんと集中しなさい」
ブリジットは教師から注意を受けたのだった。

ブリジット「(早く授業が終わって欲しいわ、もう〜)」
そう思っていた。