手塚の通っていた学校の学童は、阪急鉄道沿線に展開された
高級住宅街に家を買って済んだ会社の管理職とか官僚などの、
当時としてはかなり裕福な金持ち上流階層の家の子弟が多か
ったらしい。親の社会的ステータスが高いのが普通で、地域の
人々は学校生徒の家庭をそう受け止めていたようだ。そのため、
学生が電車の通学定期券を買う代金を忘れても駅員は後払いで
作ってくれるほどあの学校の生徒の家庭に対する信用度があったという。