http://japan.cnet.com/news/service/35023803/

 Appleは、同社のモバイル向けOS上で動作する組み込みの地図アプリケーションに関する特許を取得した。

 米特許商標庁(USPTO)によって認められた、「地図や道案内、位置に基づく情報の提供を目的とする、タッチスクリーンを用いたデ
バイスや手法、GUI」と題されたこの特許は、その名称から想像できるように、地図や道案内、位置に基づく情報を、タッチスクリーンを
装備したデバイス上に表示する方法に関するものとなっている。

 なお、同特許の取得を最初に報じたのはAppleInsiderであった。

 Appleの特許の中核は、実際に地図アプリケーションを使用する際のエクスペリエンスの向上にあるようだ。同社の特許では、GPS
機器で採用されているユーザーインターフェースにまつわる問題が描写されており、そういったインターフェースには「柔軟性にも欠け
る物理的なプッシュボタンが含まれる」と説明されている。

 Appleは特許において「携帯電話向けの地図アプリケーションというものが存在している(例えば、モバイル機器向けに
www.google.com/gmmで提供されているGoogleの地図)。しかし、既存の携帯電話に備えられている物理的なプッシュボタン(例えば、
物理キーボード上の数字キー)やタッチスクリーンを用いてそういったアプリケーションを操作することは、たいていのユーザーにとっ
て煩わしく感じられる。このため、携帯電話やその他のモバイル機器で地図アプリケーションを使用するユーザーの数は比較的少な
いというのが現状である」と説明している。

 Appleがこの特許を出願した2008年にはまだ、GarminやTomTomといった企業が、物理的なボタンを押して操作する携帯型のGPS機
器を大量に販売していた。

 同社はこの特許において、主にタッチスクリーンとユーザーの指を用いたインターフェースデザインにより、操作の直感性をどのよう
に向上させられるかについて説明している。

 ただし、最も興味深いのはおそらく、Appleが過去数年間にわたってGoogleの地図サービスを組み込みアプリケーションとして使用し
てきたにもかかわらず、特許を勝ち取ったという点だろう。Appleが自社独自の組み込み地図アプリケーションである「Maps」に切り替え
たのは2012年になってからのことだ。

 この切り替えは、AppleのMaps上で数多くの間違いや、情報の欠如に遭遇した多くのユーザーの怒りを買うことになった。同社は改善
を約束したものの、「Google Maps」に比べると現時点ではまだ多くの面で見劣りがする。

 Mapsに関連したこの特許以外にも、Appleはここ数週間で次々と知的財産を増やしている。実際のところ、米国時間10月23日にも、同
社が34件の特許を取得したことが明らかになっていた。