【5月19日 AFP=時事】
米アップル(Apple)などから電子製品の生産を請け負っている台湾の富士康集団(フォックスコン、Foxconn)の中国東部・河南(Henan)省鄭州(Zhengzhou)の工場で、過去3週間に3人の従業員が投身自殺していたことがわかった。
米ニューヨーク(New York)の労働権利団体、中国労工観察(チャイナ・レイバー・ウオッチ、China Labor Watch)が18日、明らかにした。
複数のメディアの報道によると、同工場に勤める30歳の既婚男性が14日に工場敷地内の建物から飛び降りて自殺した。
同工場では4月27日に23歳の女性が、また同月24日には24歳の男性が、それぞれ同様の投身自殺で死亡している。
中国労工観察によれば、いずれも自殺の原因は分かっていない。
米アップルの他にもソニー(Sony)やノキア(Nokia)などの電子製品の組み立てを請け負っている同社の中国工場では、2010年に少なくとも13人の従業員が自殺で死亡したとみられている。
労働者の権利団体は過酷な労働条件に起因するものだとして、従業員の待遇改善を要求した。
富士康集団はそれらの批判を受け入れなかったものの、賃金を約70%引き上げた。
また、アップル社が独自に富士康集団の労働条件について監査を行うなど、同社への懸念が高まったことを受けて、労働条件の改善や従業員の年齢制限などの改善策を取ってきた。