>>941
 つまり、通常の100倍の摩擦力を発揮できるということなので、そのままガラスの表面を上に登って行けばいいんですよ。
 虫というのは、別に手足の先が鈎状になっていなくても、壁や天井に貼り付けるんですよ。
なぜ、体重が軽い動物が、天井に掴まれたり、壁を登れるのかというと、別に足に秘密があるわけではないんです。
ただ単に、重さと面積の問題なんですね。
 こういった答えが、この場合の本来想定されていた回答らしいです。
・・・
 さて、この映画の中では、主人公のビリーとニックの面接は散々だったんですけども。
 実は、合格か否かを決めるのは、面接官ではないんですよね。
面接官は、ひたすら質問をして、それに対する答えを貰って、その質問と答えをひたすらメモするだけなんですよ。

 面接官というのは採用に関する決定権を何1つ持っていないんです。
 おまけに、こういった面接を、面接官を変えて2回も3回もやるんです。
「最低でも4回、最大では7回くらいやる」と言われています。

 なぜ、面接官の仕事が具体的な質問と返答を書いたレポートを書くだけなのかというと、
「面接官による偏見や先入観を排除するため」と言われています。

 面接官とはいえ、人間だから、偏見とか先入観を捨てるのは不可能なんですよね。
なので、実際に会った人から感想を聞くのではなく、全てレポートの形で提出させるんです。

 こういったレポートと、映像データ、後は、その他の履歴書的なものを全て書いた、
メチャクチャ分厚いファイルを山のように用意して、次は採用だけを担当する人間が集まって、
面接などは一切せずに、ファイルを見ながら「こいつはどうだろうか?」と話し合い、
次の段階である「Google本社に呼ぶかどうか」を決めるんですね。

 Google本社はサンフランシスコのマウンテンビューという、山の上のメチャクチャいい所にあるんですよ。
 そこまで、全世界から飛行機代も宿泊費も全部出して、Googleが呼ぶわけなんですね。
だから、1人呼ぶだけでもメチャクチャ金が掛かるので、まずはこのビデオ面接の段階で、ザーッと落として行くわけです。

 ビリーとニックは、面接でのこの面白い回答によって
「Googleが求める“ダイバーシティ”(多様性)がある」ということで、
飛行機代から滞在費まで全部Google持ちで、サンフランシスコに呼んで貰いました。
 まあ、これは映画ですからね。
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この記事は『岡田斗司夫ニコ生ゼミ』10月14日分(#252)から一部抜粋してお届けしました。