>>940
 もちろん、これはGoogleが望む答えではないんです。これは“論理的な思考力”を試す問題なんですね。
 試験を受ける人間が、ずっと喋らなければいけない理由というのは「どういう経路で考えているのかを明らかにするため」
なんですね。黙って考えて答えるだけというのはダメなんですよ。

 この場合のポイントは「体は縮みましたが、密度は変わりません」という部分なんです。
わざわざ、これを言っているというところが重要なんですね。

 では、密度が変わらない場合どうなるかというと。
 まあ、5セントコインと言われても、僕らは日本人だからよくわからないんですけど、
とりあえず、直径が2センチ弱くらいのコインです。
つまり、大雑把にいえば体が100分の1のサイズに縮むわけですね。

 100分の1に縮むということは“長さ”が「100分の1」になるということです。
それに対して“重さ”は縦・横・高さのある3次元であり、その全てが100分の1になるわけですから、
100の3乗で「100万分の1」になります。

 では、100万分の1の体重になるのに対して、筋肉の力はどれくらいになるのか?
筋力というのは、例えば腕の筋肉の断面とか、足の筋肉の断面積に比例するんですよね。
ということは面積ですから100の2乗分の1、つまり「1万分の1」にしかならない。

 なので、人間が密度はそのままに100分の1の大きさになった時には、体重は100万分の1になるんですけど、
筋肉の力は1万分の1にしかならない。
イコール「今のジャンプ力の100倍のジャンプ力を持っている状態である」と考えられるわけです。
 なので、ただ単に「ミキサーの上に飛び出せばいい」というのがGoogle的な正解なんです。

 論理力で考えていくと、「もし、本当に体の密度が変わらないのであれば、筋力が100倍になっちゃうということで、
50センチくらい簡単に飛べるようになるんだから、ミキサーの上にポンと飛び出せばいいよ」となるわけです。
 ちなみに、面接官側には、この答えを確認するための「そのミキサーには蓋がしてありますか?」という質問に対して、
「蓋はしていません」という答えが用意してあるそうです。
 これが“第1の答え”なんですけど。

 第2の答えとしては「そのまま登る」というのもあるそうです。手の平の“摩擦力”というのがありますよね。
 実はミキサーの内部はガラスに覆われていてツルツルに見えるけど、無数に突起があるんです。
そして、手の平の摩擦力というのも面積に関係しているものだから、体重が100万分の1になるのに対して、
摩擦力は1万分の1にしかならない。