>>260
 まあまあ、そんな話をしている間に、もう30分近く経っちゃいました。
 文字の解説をしているだけで無料部分が終わっちゃうんですよ。
 だけど、実はこの文字についての話って、『王立』を作る時に考えた設定全体から見れば、本当に何百分の1なんですよね。

 後半では、さらに映画のシーンの実例を見せながら「なぜ、こうなったのか?」というのを説明しようと思います。
 例えば、このシーンですね。

(パネルを見せる) http://livedoor.blogimg.jp/okada_toshio/imgs/6/9/699156bc.png

 これは、映画の1時間30分くらいのクライマックスシーンで
「追いかけてきた清掃車がドーンと突っ込んでてきて、シロツグが駅の構内から外へ逃げた」という場面です。

 沈む夕日をバックに、背景には複雑な形の鉄塔みたいなものがズラーッと並んでいます。
こんな景色の中を主人公のシロツグが走っていくという、ちょっと美しいシーンでもあるんですけど。

 なぜ、こんなシーンが出来たのか? こういう設定はいかにして作られたのか?
 たぶん、このカットを見た人は、一発で「ああ、これは現実とは違う世界なんだ」とわかるくらいの力があるんですけども。
こういうものは、どうやって作られたのかという話をします。
・・・
 あとは、最初にも言った通り“言いたくない話”もしましょう。

 例えば、このシーンは明らかな失敗なんですよ。

(パネルを見せる) http://livedoor.blogimg.jp/okada_toshio/imgs/0/0/00b27340.png

 これ、戦闘シーンとして結構有名な「共和国軍の戦闘機の機関銃の弾が、王国の戦闘機に当たる」という場面です。
ここ、本当に綺麗に、弾が当たったところだけ翼にバババっと穴が開いて、左の翼がバチンと切れて墜落するシーンです。
 結構カッコいいシーンなんですよ。

 ところが、これはもう大失敗です。
 このシーンを描いた庵野秀明と、後で「いやあ、しまったなあ」とか「でも、たぶん、誰も気が付かないから、
このままでいきましょうよ。これをリテイクしてたらキリがない」と言い合ったようなシーンなんです。
 「これの何が失敗なのか?」という話も語りたいと思います。
・・・