>>119
 そういった場所は、なんとなく気持ち悪いから誰も近づかない。だから、そこに通じる山道もないんですよ。
 よく「パワースポットに行くとスッとする」とか言うじゃないですか。
あんなもん嘘です。“パワーを貰える場所”なんて、全て偽物なんですよ。
 本当にパワーがある場所というのは、現地の人ですら、決して近づかないような場所なんです。
立ち入らないから道もないし、神社もなければ遺跡もないんですよ。

 そんな、そこにいるだけで嫌な予感がして足が竦むような場所というのが、山の奥には必ずあるんです。
 その土地で生まれ育って、子供の頃から山歩きをしていたような人は、それを知っているから近寄らない。
 そういう場所のことを、昔から日本人は“山の聖域”というふうに呼んだりしていたんです。
・・・
 トトロは、そういうところに住んでるんですよ。
 もちろん、『となりのトトロ』のアニメの中では、子供向けに嘘をついているので、
大きいくすの樹を見て、「わあ立派なくすの樹!」「すごいね!」「パパはこれを見て引っ越そうと思ったんだよ」
なんて、あたかも良い場所のように描いてるんですけど。

 でも、本当に気持ちの良い場所だったら、あの土地の人間は、みんなくすの樹の周りに住んでるはずなんですよ(笑)。
 そして、そうじゃないということは、トトロが住んでいる場所は、近くにいるだけで、
なんだか嫌な予感がゾワゾワして、人が近寄らない場所なんです。
 あの森は、そうやって守られているんです。

 トトロとは何なのかというと、古代の日本の神々なんです。
 太古の神であって、人類より先に日本に住んでいた先住民族です。

 彼らは、縄文時代の人間とは上手く共存していました。
 その証拠が、トトロの住処に置いてあった縄文土器なんです。この土器は、クローズアップになると、
ちゃんと縄文の模様も見えるように描いています。

http://livedoor.blogimg.jp/okada_toshio/imgs/a/5/a5a6b1f4.png
・・・
 トトロの持っていた道具を、もう1つ見せますね。

(パネルを見せる) http://livedoor.blogimg.jp/okada_toshio/imgs/7/d/7d378483.png

 これは、劇中でも盛り上がるシーンなんですけど、トトロが、いかにもポケットみたいな場所から
“大きな鉄のコマ”を取り出して、ビューンと回して、そのコマに乗って空を飛ぶというシーンです。