>>427
 スタジオジブリが、物件を、どこかに間借りをしてやっているわけにはいかないと。
 どんどん広い場所が必要になってきたので、ビルを建てようって事になったんですね。
 まぁまぁまぁ、おわかりの通り、儲かりだしたからなんですけどもですね(笑)。

 で、鈴木さんの話です。
 「宮さん(宮崎駿さん)が、そこに僕を連れてきた」と。
 ジブリの近くのある建物の前に連れてきたと。

 で、その “ある家” を指差して、「ここ、初恋の人の家」って言うんですよ、と。
 で、「これは俺の初恋の人の家」って宮崎さんが言って、しかも、その初恋の人に宮崎さんは振られたと。
 告白したんだけども振られて、武蔵境の駅までトボトボ歩いて帰ったと。
 何年前の事か分かりませんが、歩いて帰ったと。

 で、宮崎さんは、もうその時は完全に “そのモード” に入ってしまってですね。
 「鈴木さん。 その武蔵境までの道を、二人で一緒に歩こう」って言ったんですね(笑)。

 鈴木敏夫は「ちょっと待てよ!」と。
 俺たちは物件を探しに来たのに、いきなり「これ、俺が昔 好きだった人の家」って言われて。
 「とぼとぼ歩いた」って事を言いながら「同じ道を一緒に歩こうよ」と言って先に歩き出したんで、
「こんな事をやっている時間は無い!」と。

 「バカな事を言うんじゃないよ!」って思ったんですけどもですね。
 もう本人は、すでに “あの日” に帰って、思い出に浸っているんですって(笑)。

 もう思い出に浸って歩いているから、どうしようも無くってですね。
 で、たまたま思い出に浸って宮崎さんが歩いている所を鈴木さんが見たら、空き地があったんですね。

 それで空き地があったんで「あ、じゃあココにしよう」と思って、その場で不動産屋に電話をして聞いたら
「空いてる」って事で、そこを買って今のスタジオジブリが出来たと。
 つまり、そういう話なんですけども。
・・・
 「宮崎駿の初恋が、ジブリの移転先に大きく影響を及ぼしたことが明かされた」というふうに書いてあるんですけども。
 宮崎駿の恋愛感って、独特なんですね。

 2013年に『世界一受けたい授業』に鈴木敏夫が出たときに、「ジブリ作品のヒロインは、
宮崎駿の好みの女性ですか?」ってタレントさんが聞いたんです。
 そしたら鈴木敏夫は「当たり前ですよ! 決まってるじゃないですか!」というふうに即答してですね。

 宮崎駿の好みを「健気で一途」と、「自分の言う事を、何でも聞いてくれるのが大事」というふうに指摘して、
「宮崎作品のヒロインは、男にとって都合のいい女性が多い」というふうに語ったんですね。

 このようにですね、基本的に鈴木敏夫って宮崎駿がやる事に関しては庇うんですね。
 支持するんですよ。