>>640
 この『スランバー山の幽霊』の後にオブライエンが作ったのが、『ロスト・ワールド』という映画です。
 『ロスト・ワールド』は、イギリスのコナン・ドイルの小説を原作とした“チャレンジャー教授”シリーズの小説です。
 「南米の奥地に内部がすり鉢のカルデラ火山になっている巨大な台地があり、そこに前世紀の恐竜が生き残っている」
と聞きつけたチャレンジャー教授は、そこに行って恐竜を見つける。

それどころか、イギリスに連れ帰ってきてしまうんですけども。クライマックスでは、その恐竜がで逃げだして、
ロンドンの街をブラキオサウルスが歩き回るというシーンが繰り広げられます。

(ロスト・ワールト?)
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 まだモノクロで音もない映画だった時代に、ウィリス・オブライエンという人は、こういうのを作ったんですね。

 その後に撮った『キング・コング』では、ついに、もう本当に、みんなが待ち望んでいた
“キング・コング対ティラノサウルス”という戦いを表現します。

(パネルを見せる、キンク?コンク?対ティラノサウルス)
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 これについても“恐竜愛”というか、映画という媒体の表現が新しくなれば、
その時点で最高の技術を使って恐竜を作りたがるんですよね。

 この『キング・コング』というのは“トーキー”、つまり、音がついている映画なんですけども。
これが1933年に作られたことで、音つきの状態でコング対恐竜が見れるようになりました。
・・・
 その後、アニメが誕生して、長編アニメが作られるようになり、アニメの中にも音が入れられるようになると、
あっという間に、今度はウォルト・ディズニーが『ファンタジア』を作ります。

 『ファンタジア』って、案外、全部見た人が少ないんですよね。ミッキーマウスの魔法の箒のくだりだけを見て、
20分以上ある恐竜のシーンとかを、ほとんど見てないんですよ。

 これ、なかなかすごい映画なんですよ。恐竜の描写も、当時としてはメチャクチャ正確です。
さっきも言ったように、映画というのはその時代の最新の学説を導入して作るものですから。

 この映画における恐竜は“前世紀の悪魔”としては描かれずに、あくまでも“生物”として描かれます。

 『ファンタジア』の恐竜のパートというのは、一番最初、宇宙が映って、地球が誕生して、
地球の中がマグマでグチャグチャになって、その中から大地が生まれ、造山活動が起こり、
山が生まれて、火山が噴火して雨が降って、海になって、生命が誕生する。

 その生命の誕生の中から、恐竜が生まれてきて、こんなふうに戦うんですけど。

(パネルを見せる、ファンタシ?ア)
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