2018年07月14日07:00
【岡田斗司夫アーカイブ】なぜ、アメリカから銃がなくならないの?
http://blog.livedoor.jp/okada_toshio/archives/51549036.html

2016/01/17放送のニコ生ゼミより

 「なぜ、アメリカで銃がなくならないのか?」という問題ですね。
 オバマ大統領は1月1日のビデオ演説で涙を流して「アメリカで銃規制法案をやらしてくれ!」と言ったそうなんで。
 これが日本で報道されるときは「アメリカは銃社会だから」とかですね。
 もしくは「銃を手放さないからだ!」とかですね。
 「全米ライフル協会が!」というような報道のされ方をするんですけども。
 僕はもっと本質的なモノがあると思ってるんですね。

 それが、ちょっとFacebookに書いたんですけども、「国家に武力で対抗する権利」っていうのを彼らは持ってるんですね。

 で、これが憲法に書いてあるのが面白くて。
 まずアメリカは多層的な暴力装置を持っていると。
 あんまり普段は聞きなれない言葉ですね。「多層的な暴力装置」っていうのは。

 日本では暴力装置が二つあります。
 一つは「軍隊」ですね。
 もう一つは「警察」なんですよ。

 で、警察っていうのは行政で、軍隊っていうのは国家に雇われてるんで、ちょっと所属が違う。ま、ちょっとしか違わないんだけど。
 言っちゃえば、両方とも国に雇われてるから。
 これ、じつは危険なんですね。

 アメリカでは警察だけでなくって、民間から選ばれてる「保安官」というのがある。
 その保安官っていう制度があるから、国家に雇われている警察。
 本当はその警察も都市に雇われていたりするワケですね。

 だからニューヨーク・ポリス・デパートメントっていうのは、ニューヨーク市の予算で運用されてたりもするんだけども。
 日本の場合、警察っていうのは都市に所属してるのか、たとえば島根県警っていうのが島根県に所属してるのか、
もしくは警視庁っていう国家組織に所属してるのか、ちょっとわかりにくい所があります。

 で、それと国家に雇われている、国家から金が出ている「軍隊」というのがあると。
 「これが2つしかないので、日本は危険だ」って考え方もあるんですね。

 何で危険なのか? っていうと、国家が僕たちのイヤな存在になったとき、つまり
「国民に対してイヤなものになったときに、いつでも市民が国家を武力でひっくり返す権利を持っているべきだ!」
というのがアメリカ人の、アメリカ人の平均的な考え方ではないけど、アメリカの建国思想なんですね。